新生児ICU治療に革命を起こす最新モニターとは?

新生児ICU治療に革命を起こす最新モニターとは?

米ノースウエスタン大学の研究チームが実用化を目指し、開発を進めるモニターが新生児医療に革命をもたらすかもしれない。医療的観点からも、親子のスキンシップを深める観点からも期待値が高い、新しいモニターとはどんな形状なのか?


従来型のケーブルだらけのモニターからの脱却

 米イリノイ州に拠点を置くノースウエスタン大学の医学部が実用化を目指す新生児用モニターが、新生児集中治療室(ICU)の現場を大きく改善しそうだ。同大学でバイオ・エンジニアリングを研究するジョン・ロジャース博士が率いる研究チームが開発しているのは、コードレスの無線モニターシステム。臨床研究には同じくイリノイ州に拠点を置くプレンテス女性病院(Prentice Women’s Hospital )と、アン&ロバーH.ロウリー子供病院(Ann & Robert H. Lurie Children’s Hospital)が参加。その研究の結果、従来型の有線モニターと開発中の無線モニターの性能にデータ差異がほとんど生じないことから、医療現場で利用できるという見解を発表した。その画期的なモニターを紹介した映像はこちら。

貼るモニターで親子スキンシップが可能に

 ICUに入院しなければならない子供たちは、小さな体にいくつもの有線モニターが繋がれる。通常モニターのケーブルは、大人用も子供用も粘着性のテープで固定されるが、生まれて間もない子供の肌には負担も大きく、皮膚がかぶれたり、裂けたり、傷を負ってしまうということもあった。

 同研究チームが開発したモニターはシリコン製で、その中には体の動きに合わせて曲がるように設計された電子センサーが埋め込まれており、MRIやレントゲンの邪魔にならない。また、この構造ゆえに、新生児たちがICUにいながらも親子、特に母親とのスキンシップを図ることが可能になる。モニターを繋ぐワイヤーがないため、親は子供を抱いたり、抱きながら母乳を与えることも出来るのだ。

 アメリカでは毎年30万人近くの新生児が早産や健康上の問題を抱え、ICUに入院している。このモニターを医療現場に早期導入することを期待する声が大きく、これから急ピッチで流通化に向けた作業が進みそうだ。

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